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ガスメーターの復帰方法|マイコンメーターが止まった時の手順を元ガス屋が解説

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この記事の要約

結論から言います。ガスが急に止まったときは、多くの場合ガスメーターの復帰操作で元に戻ります。手順は「家中のガス機器を止める」「復帰ボタンを押す」「数分待つ」の3ステップだけです。ただし、ガスのにおいがするときだけは絶対に復帰させないでください。私は元ガス会社勤務で、危険物取扱者乙種4類と高圧ガス販売主任者第二種の資格を持っています。現場では数えきれないほどこの対応をしてきました。この記事では、実際の手順と、復帰させてはいけないケースを分けて説明します。

コンロをひねっても火がつかない。シャワーからお湯が出ない。そんなとき、まず疑ってほしいのがガスメーターです。故障だと思って修理を呼ぶ前に、確認していただきたいことがあります。

マイコンメーターとは何か

マイコンメーターは、ガスの使用量を計りながら、異常を見つけると自動でガスを止める安全装置です。内部に小さなコンピューター、つまりマイコンが入っています。だからマイコンメーターと呼ばれます。現在、日本の家庭に設置されているガスメーターは、ほぼすべてこのタイプです。

このメーターは、ガスの流れる量と使用時間をいつも見張っています。そして「いつもと様子が違う」と判断すると、自分の判断でガスを遮断します。

私が現場にいたころ、「ガスが出ない」というご連絡の大半は、機器の故障ではありませんでした。このマイコンメーターが作動していただけです。つまり、安全装置がきちんと仕事をしていた状態です。落ち着いて対応すれば、多くはご自身で元に戻せます。

ガスが止まる主な原因

マイコンメーターがガスを止める理由は、いくつかのパターンに分かれます。

  • 地震を感知した(震度5相当以上の揺れ)
  • ガスの使いすぎ(同時に多くの機器を使った)
  • 長時間の連続使用(消し忘れの疑い)
  • ガス漏れの疑い(ごく少量の流れが続いている)
  • 配管内の圧力が下がった
  • ボンベのガス切れ(LPガスの場合)

私の経験では、冬場に多いのが「使いすぎ」です。給湯器とファンヒーターと調理が重なると、契約している流量を超えることがあります。

意外と多いのが、ゴム管の外れや器具栓の閉め忘れです。ごく少量のガスが流れ続けるため、メーターが漏れと判断して遮断します。使っていない機器の栓が半開きだった、というケースを何度も見てきました。

なぜ「使いすぎ」で止まるのか

マイコンメーターには、あらかじめ上限となる流量が設定されています。この値は、その家庭の契約や設置されている機器に合わせて決められています。

たとえば、給湯器でお湯を出しながら、ガスファンヒーターをつけ、さらにコンロを2口使う。こうした状況で上限を超えると、メーターは「異常な量が流れている」と判断します。これは故障ではなく、設計どおりの動作です。

同じ組み合わせで頻繁に止まる場合は、設定値と実際の使用状況が合っていない可能性があります。その場合はガス会社に相談すると、機器の構成を見直してもらえることがあります。

復帰させる前に必ず確認すること

ここが一番大切なところです。復帰ボタンを押す前に、次の2点を必ず確認してください。

  • ガスのにおいがしないか
  • 家中のガス機器がすべて止まっているか

ガスのにおいがする場合は、絶対に復帰させないでください。窓を開けて換気し、ガスの元栓を閉めて、ガス会社に連絡してください。

このとき、換気扇のスイッチには触らないでください。スイッチを入れる瞬間の小さな火花が、引火につながるおそれがあります。換気は窓と扉を開けて行ってください。

私が現場で最も強くお伝えしていたのが、この「においがしたら復帰させない」という一点です。メーターは理由があってガスを止めています。原因を確かめずに復帰させるのは、鳴っている警報を止めて回るのと同じことです。

復帰操作の手順

においがなく、機器がすべて止まっていることを確認できたら、復帰操作に進みます。手順は次のとおりです。

  1. 家中のガス機器をすべて止め、器具栓も閉じる
  2. ガスメーターを探す(屋外のボンベ付近、またはメーターボックス内)
  3. 復帰ボタンのキャップを外す
  4. 復帰ボタンを、奥に当たるまでしっかり押して、すぐに離す
  5. 表示ランプが点滅を始めたことを確認する
  6. そのまま1分から3分、何もせずに待つ
  7. 点滅が消えたら復帰完了

この「待つ」時間が重要です。点滅している間、メーターはガス漏れがないかを自分で検査しています。途中でガス機器を使うと検査が中断され、また止まってしまいます。

私が現場でよく見たのが、待ちきれずにコンロをひねってしまい、振り出しに戻るケースでした。点滅が消えるまでは、何もせずに待ってください。

キャップを外してもボタンが見当たらないことがあります。機種によって位置が違うためです。メーターの正面か側面をよく探してみてください。

メーターの表示から原因を読み取る

マイコンメーターには、小さな液晶画面と表示ランプがついています。ここを見ると、なぜ止まったのかのヒントが得られます。

赤いランプが点滅している場合は、遮断中を意味します。液晶画面には「ガス止」といった文字や、記号が表示されていることがあります。この表示内容はメーカーや機種によって異なります。

ガス会社に連絡するときは、この表示の内容を伝えてください。私が電話を受ける側だったころも、「赤いランプが点滅している」「画面にこの文字が出ている」という情報があるだけで、原因の見当がかなりつきました。スマートフォンで写真を撮っておくと、より確実です。

復帰ボタンを押しても直らない場合

何度やっても点滅が消えない。復帰してもすぐにまた止まる。この場合は、遮断の原因がまだ解消されていません。

考えられるのは、次のようなことです。

  • どこかのガス機器や器具栓が閉まりきっていない
  • ゴム管が外れている、または劣化して漏れている
  • LPガスのボンベが空になっている
  • 配管や機器そのものに不具合がある

まず、家中の器具栓をもう一度確認してください。使っていないコンロの栓、ストーブの栓、今は使わなくなった機器の栓。閉め忘れが1つでもあると、復帰できません。

それでも直らない場合は、無理を重ねないでください。何度も復帰操作を繰り返すこと自体が、リスクになります。ガス会社に連絡して、点検してもらうのが確実です。

地震のあとにガスを使うときの注意

地震でガスが止まった場合は、復帰の前にやるべきことが増えます。

まず、ガス機器や配管に目に見える損傷がないかを確認してください。ガス管が曲がっている。給湯器が傾いている。ゴム管が外れている。こうした状態で復帰させるのは危険です。

次に、においの確認です。地震のあとは、配管の接続部がゆるんでいることがあります。少しでもにおいを感じたら、復帰させずにガス会社へ連絡してください。

建物自体に被害がある場合も、自己判断は避けてください。私が地域の防災訓練に協力した際も、「地震のあとは、復帰させる前に一呼吸おいて周囲を見る」ことを繰り返しお伝えしていました。

戸建てと集合住宅での違い

メーターの設置場所は、住まいの形態によって変わります。

戸建てのLPガスであれば、屋外のボンベのすぐ近くにあることがほとんどです。都市ガスの戸建てでは、建物の外壁沿いや敷地内のメーターボックス内にあります。

集合住宅の場合は、玄関横のメーターボックスの中や、共用廊下のパイプスペース内が一般的です。扉を開けると、電気やガス、水道のメーターが並んでいることが多いです。

集合住宅で注意したいのは、隣の住戸のメーターと間違えないことです。部屋番号の表示を必ず確認してください。私が現場に伺った際も、隣の家のメーターを操作してしまっていた、という例が実際にありました。

絶対にやってはいけないこと

現場で見てきた中で、特に危険だと感じた行為を挙げます。

  • ガスのにおいがするのに復帰ボタンを押す
  • 原因を確かめないまま、何度も復帰を繰り返す
  • においがするときに換気扇のスイッチを入れる
  • メーターを分解する、こじ開ける
  • 復帰しないからと、メーターや配管を叩く

最後の「叩く」は、実際にありました。焦る気持ちは分かりますが、機器を傷めるだけで、状況は良くなりません。

すぐにガス会社へ連絡すべきケース

次のような状況では、ご自身での復帰を試みず、ガス会社に連絡してください。

  • ガスのにおいがする
  • 復帰操作をしても、繰り返し止まってしまう
  • 地震や災害のあとで、建物や配管に損傷がある
  • ガス機器から異音や異臭がする
  • メーターに見慣れないエラー表示が出ている

ガス漏れが疑われる場合の連絡先は、24時間受け付けています。契約しているガス会社の緊急連絡先を、あらかじめ控えておいてください。

日頃からやっておくとよい備え

いざという時に慌てないために、平時にできることがあります。

  • ガスメーターの設置場所を、家族全員が知っておく
  • 復帰ボタンの位置を、一度実際に見て確認しておく
  • ガス会社の緊急連絡先を、見える場所に貼っておく
  • 懐中電灯をすぐ取り出せる場所に置いておく

特に大切なのが、メーターの場所です。停電した夜に、初めて手探りで探すのはかなり大変です。明るいうちに一度、家族で確認しておくことをおすすめします。

懐中電灯を挙げたのには理由があります。メーターは屋外や薄暗い場所にあることが多く、スマートフォンのライトだと片手がふさがります。両手が使える状態のほうが、復帰操作は確実です。

よくある質問

Q1. 復帰ボタンを押しても点滅が消えません。
遮断の原因がまだ解消されていない可能性があります。家中の器具栓をもう一度確認してください。それでも直らなければ、ガス会社に連絡してください。

Q2. 復帰にはどれくらい時間がかかりますか。
ボタンを押してから、おおむね1分から3分です。この間はガス漏れの自動検査中なので、ガス機器は使わずに待ってください。

Q3. ガスのにおいがしますが、復帰させてもいいですか。
絶対にやめてください。窓を開けて換気し、元栓を閉めて、ガス会社に連絡してください。換気扇のスイッチには触らないでください。

Q4. マイコンメーターはどこにありますか。
戸建てでは屋外のボンベ付近や外壁沿い、集合住宅では玄関横のメーターボックス内にあることが多いです。機種や建物によって位置が異なります。

Q5. 復帰操作に費用はかかりますか。
ご自身で操作する分には費用はかかりません。ガス会社に出向いてもらう場合は、契約内容によって扱いが異なるため、事前に確認してください。

Q6. 地震のあと、すぐに復帰させて大丈夫ですか。
まず建物やガス機器、配管に損傷がないかを確認してください。においや損傷がある場合は、復帰させずにガス会社へ連絡してください。

Q7. 都市ガスとLPガスで復帰方法は違いますか。
基本的な手順は同じです。ただしLPガスの場合、ボンベのガス切れが原因のこともあります。その場合は復帰操作では直りません。

Q8. 同じ状況で何度も止まるのですが。
メーターの設定流量と、実際の使用状況が合っていない可能性があります。ガス会社に相談すると、機器の構成を見直してもらえることがあります。

まとめ

ガスが止まったときは、まずマイコンメーターを確認してください。多くの場合は故障ではなく、安全装置が正常に働いた結果です。復帰の手順は「機器をすべて止める」「ボタンを押す」「数分待つ」。これだけです。

ただし、ガスのにおいがするときだけは例外です。この場合は復帰させず、窓を開けて換気し、元栓を閉めてガス会社に連絡してください。

私が現場で対応してきた経験から言えるのは、慌てて何度も復帰を試すより、原因を1つずつ確かめるほうが結局は早い、ということです。

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